【ラボ内備忘録】金属価格推移のメモとして。

歯科用金属

メタルフリー技工専門のラボとして営業しておりますのでキャスト系のお仕事はほぼありませんが、最後臼歯向けのキャストクラウン用合金を中心に、在庫中の金属価格と取り扱いについてメモしておきます。

YPG77(ヤマキン)

YPG77はタイプⅡに相当する金合金です。
単冠のクラウンやインレーなどに使用します。
タイプⅠほどの展延性はないですが、インレーのバニッシングも可能なので、歯科医師によっては好んで使われる場面も多いです。
金が77%含まれていて柔らかいので、ブリッジはもとより連結冠などには使用できません。

軟化処理方法は750℃で15分間係留した後、水中急冷。
硬化処理作用はありません。

¥34,200(5g)(税抜)(時価)
@¥6,800
ビッカース硬さ=145Hv(軟化処理後)

リジットゴールド(ヤマキン)

リジットゴールドはゴールド色をした白金加金です。
在庫の中では最も硬いメタルで、フルマウスのブリッジフレームはもとより、テレスコープや金属床にも使用可能です。
そのためゴールド色ではありますが、一般的なゴールドクラウンに期待されるような物性はありませんので注意が必要です。

¥103,100(20g)(税抜)(時価)
@¥5,155
ビッカース硬さ=280Hv(鋳造後)

スペイシーJ2(ヤマキン)

スペーシーJ2はプラチナ色をした白金加金です。
フルマウスのブリッジフレームにも使用可能な硬度を持ちます。
ミリング加工が行いやすいので、プラチナ色を好む患者様の他、コーヌスやテレスコープ、インプラント上部構造、金属床など、こちらも幅広く使用できます。

¥46,700(10g)(税抜)(時価)
@¥4,670
ビッカース硬さ=240Hv(鋳造後)

パラゼット12-n(ヤマキン)

12%ゴールドの保険用金パラ。
ご存知パラを比較対象に。

¥80,000(30g)(税抜)(時価)
@¥2,666
ビッカース硬さ=205Hv(鋳造後)

ジルコニア(参考)

ディスク削り出しのため使用量を計ることもできず、材料費は技工料金に添加されるのが一般的です。
とはいえ昨今の金属価格の推移と比較するとコスト的にも有利な場面が多いです。

例えば上述のYPG77であれば、金合金は比重も大きいので大臼歯クラウンであれば3g近くを使用します。
そうなると材料費だけでも約¥20,400となり、ここに技工料金が加算されるのでコスパ的にはジルコニアの方が優れていると言えます。

ビッカース硬さ=700〜1,000Hv

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