感染症予防への取り組み

― コロナ禍を経て、今も受け継がれる衛生管理体制 ―

2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、歯科医療の現場も大きな影響を受けました。
あの時期、私たち歯科技工士もまた、歯科医療を支える一員として「何ができるか」を真剣に考え、感染症対策を一つひとつ実践してきました。

Mセラミック工房では、当時に構築した防止策を一過性のものとせず、「衛生管理を日常業務の基準とする」体制として今も継続しています。

継続している主な取り組み

スタッフのこまめな手洗いや手指消毒、作業時マスクの着用、定期的な換気の他にも、当所独自の様々な感染症対策を行なっています。

1. スタッフの衛生管理と作業環境の維持

手洗い・手指消毒・マスク着用・作業中のグローブ使用・定期的な換気など、コロナ禍で徹底した基本行動は、今ではMセラミック工房の標準業務プロセスとして定着しました。

器具・設備・作業スペースの清掃もルーチン化し、常にクリーンな環境で補綴製作を行っています。

2. 印象体・石膏模型の衛生管理

お取引のある歯科医院様には、印象体除菌の徹底を継続してお願いしております。
過去には印象体除菌スプレー『トクヤマ デントジア』を配布し、その取り組みをきっかけに、現在も多くの医院で衛生的な印象体管理が実施されています。

当所では届いた模型・バイト材を指定エリアで開梱・消毒し、汚染リスクのある物品を他の作業エリアと分離して取り扱う体制を維持しています。

3. 製作物の紫外線殺菌・最終チェック

補綴物は口腔内に直接触れる“セミクリティカル器具”と同等に取り扱っています。
納品前には紫外線殺菌機による最終殺菌を行い、患者様の口腔内に入るものとして万全の状態でお届けしています。

今後も、変化に応じた柔軟な対策を

コロナ禍を経て、社会全体が「衛生管理」を再定義しました。
私たちはこの経験を通じ、感染対策は一時的な対応ではなく、“品質管理の一部”にすべきと考えています。

今後も、状況や科学的知見に応じて柔軟に対策を見直し、歯科医療の現場を支えるラボとして、安全で安心できる製作環境を守り続けます。

感染対策が生んだ、前向きな変化

コロナ禍をきっかけに、私たちの業務体制も大きく変化しました。
感染予防の観点から、対面での打ち合わせや納品を減らす必要が生じたことで、Zoomを用いたオンライン対応や遠方医院様とのリモート連携を本格的に導入しました。

また、この経験は、受発注や指示書管理をオンラインで行える「GK4クラウド」システム導入にも繋がりました。
感染対策の枠を超え、効率化と再現性を両立する新しいワークスタイルへと進化したことは、私たちにとって大きな学びであり、これからの歯科技工の在り方を考える契機にもなりました。

これらの取り組みは、「感染症を防ぐための変化」から「医療をより良くする変化」へと発展し、現在のMセラミック工房の体制を形づくっています。

感謝を込めて

コロナ禍の中で歯科医療を支え続けた全国の医療従事者の皆さま、そして今も現場で尽力される先生方・スタッフの皆さまに、心より敬意と感謝を申し上げます。

Mセラミック工房
スタッフ一同
2025年11月

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