クリスタルアイを用いた出張シェードテイク

シェードテイク撮影の目的は、患者の歯牙の色を記録し、誰が見ても共有できる情報としてラボに持ち帰ることです。

それにはカメラ撮影によって忠実な色再現を行わなければなりません。
しかし、写真を参考にしながら歯科技工士が作業できるレベルの『忠実な色再現』を達成するには、カメラと写真撮影についての深い知識とノウハウが必要です。

実物の写真を参考にしながら、その色調を再現するという一連のながれは、歯科技工独特のもので、その作業は困難を極めます。

そこで『色の差』を数値化して観察することができる『クリスタルアイ』というシェードマッチングシステムが非常に役に立ちます。

忠実な色再現の壁

なぜ忠実な色再現を達成するのは困難なのでしょうか。
その原因は『環境光』にあります。

環境光を自然光で統一しようと思えば、ホワイトキューブの空間で、周りに色の着いたものは何も置かず、北側に採光窓を取り付けることが必要です。
それと同じ条件の部屋が歯科技工所にも必要になり、測色時と同じ天候で同じ時間帯に作業しなければなりません。
こういったことはまず不可能でしょう。

人工的な光源ではどうでしょうか。
残念ながらこの場合も多くの壁が存在します。
仮に環境光の条件をクリアし、プロの写真家以上に正確なカメラ設定のカスタマイズができたとします。
しかし今度は出力の問題が出てきます。
パソコンのモニターで正しい色を出すには、専用の高価なモニターが必要になり、カメラで撮影されたデータを正しくキャリブレーションしなければなりません。

それをプリント出力しようとするなら、ICCを利用したプリンターのキャリブレーションと、忠実に色を出す写真用紙を探す必要があります。
いずれの方法も理想と現実がかけ離れており不可能な条件ばかりです。

そこで『クリスタルアイ』の登場となります。

クリスタルアイの特徴

ここまで述べてきたように、環境光の統一は困難を極めます。
ですが環境光を統一するために、ひとつだけ簡単な方法があります。

それは環境光を遮断することです。
闇であれば簡単に統一できます。

そのうえで必要な光のみを、統一された量と距離で与えます。
その撮影条件を口腔内とラボ内の技工物の両方に対して実施すれば良いのです。

それを可能にするのが『クリスタルアイ』という歯冠測色器です。

歯に直接触れるコンタクトキャップという部分で、周りの環境光を完全にカットします。

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コンタクトキャップ先端にはバイト部が設けられており、この位置でなければピントを合わせることができません。
患者の口腔内を撮影した後、歯科技工所で製作中の補綴物を同じ遮光条件下で撮影しながら個性豊かな色調を再現していきます。

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つまり被写体(歯、補綴物)とカメラレンズ、LED光源が常に同じ位置に保たれ、コンタクトキャップ内部の環境光は統一され続けます。

クリスタルアイで撮影されたデータは、同じ条件のまま同一画面のPCモニター内で表示されます。

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モニターと技工物を交互に確認しながら色を出すだけではなく、統一された環境で撮影された補綴物をモニターに取り込み、シェードテイク時の画像と並べ『色差』『明度』『色相』『彩度』などを検証しながら技工物の色を調整することができます。

そのためモニターのキャリブレーションやプリンターのキャリブレーションなどが不要になり、出力環境の統一も一気に解決します。

クリスタルアイの品質証明

クリスタルアイで製作された補綴物の色差情報を品質証明レポートとしてプリントアウトすることも可能です(オプション)。

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審美的な要求の高い患者に対しても製作後にレポートをお渡しすることで満足度を高めることができます。

歯科技工士による出張シェードテイキング

Mセラミック工房の出張シェードテイキング(有料)は、写真撮影の深い知識と、歯列のシェードテイキング技術を身につけたスタッフが『歯冠測色器クリスタルアイ』と『デジタルミラーレス一眼』を持ち込んで、正確なカラーバランス設定のもと撮影とシェードテイキングを行います。

患者様からのヒアリングも歯科技工士が直接行いますので、患者様の安心感、満足度も大きく向上します。

より高いレベルの審美補綴をお求めの歯科医院様は、是非ご用命ください。

シェードテイキングに関する全ての記事へのリンクをまとめました。


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