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再製作を減らすためのオススメ技工機材&便利ツール10選

歯科医院にも技工関連の機械や材料が数多く存在しているかと思います。
歯科医院の中でも簡単な歯科技工作業は行われているので、必要最低限の技工機材が用意されているのは当然ですね。
ところが、歯科技工所にはあって当たり前のいくつかの重要な機材が、歯科医院には備えられていない場合もあるようです。

今回は歯科技工物のクオリティを上げるために、是非歯科医院でも扱って欲しい重要な便利機材を紹介していきます。

再製率が下がればみんなハッピー!

[talk words=”模型に気泡が入ってて技工物が作れないって言われちゃったよ〜。
また患者さんに来てもらわなきゃ…” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2019/07/dr4.jpg” name=”Dr.カスプ” align=r]
[talk words=”それは困りましたね。他にも技工物製作を断られることはよくあります?” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2014/09/prof.jpg”]
[talk words=”他にはクリアランスが足りないってよく言われるかな…テックが作れてるから作れるはずなんだけど…” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2019/07/dr1.jpg” name=”Dr.カスプ” align=r]
[talk words=”試しに技工士が使ってる道具と同じものを揃えてみたらどうですか?それで再製率も下がるかもしれませんよ!” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2014/09/prof.jpg”]
[talk words=”ふ〜ん。でも何を揃えればいいんだい?” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2019/07/dr3.jpg” name=”Dr.カスプ” align=r]
[talk words=”でしたらオススメの技工機材を紹介するので参考にしてみてください!” avatarimg=”https://m-cera.jp/wp-content/uploads/2014/09/prof.jpg”]

模型精度を上げる『真空攪拌器』

ご存知石膏や埋没材の練和に必要不可欠な機械です。
歯科技工所にはほぼ確実に置いてあるこの真空攪拌器(バキュームミキサー)ですが、未導入の歯科医院さまも多いようです。

シリコーン印象のように歯科技工所で石膏が注げるのであれば問題ありませんが、日本の臨床現場ではそのほとんどが寒天アルジネートの連合印象だと思います。
つまり歯科医院で印象採得して、その直後には歯科医院内で石膏を注ぐ必要があります。
その時に『真空攪拌器』が無ければ質の良い石膏模型は作れません。

綺麗に支台歯形成を仕上げて、しっかりと歯肉圧排を行なっていても、肝心の模型のマージンに気泡が入っていたらせっかくの努力が台無しです。
気泡抜きの時間が短縮されて、その分を操作時間に当てれるので余裕を持って丁寧な模型作りが可能になりますよ。
小型のものでも十分ですので、是非歯科医院内にも真空攪拌器の導入をご検討ください。

[capbox title=”おすすめは?”]
当社ではモリタ様のバキュームミキサーを使用しています。
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適合精度を上げる『超硬質石膏』

歯科技工所は多くの歯科医院とお取引をしています。
そんな中で困るのは作業模型の石膏の質が悪いケース。
場合によっては届いた作業用模型が普通石膏で作られていることもあります。

模型のトリミング作業は注水しながら行われます。
これが普通石膏で作られた模型であれば、水に影響されて脆くなったりすり減ったりすることによって技工物の適合精度が下がります。

また超硬質石膏のメーカーによっても、低品質なものはハンドトリミング中にチッピングを起こしやすかったり、歯科技工作業中に色々とトラブルを招きます。

作業模型用石膏は高品質の超硬石膏を使ってください。

[capbox title=”おすすめは?”]
当社ではGC様のニューフジロックニューフジロックIMPを使用しています。
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接着強度を上げて脱離を防ぐ『サンドブラスター』

サンドブラスト処理はチェアサイドでは特にCAD/CAM冠の内面処理などに有効な手法です。

一時期CAD/CAM冠の脱離率が非常に高いことが話題となり、保険用ブロックの製造から撤退するメーカーまで現れました。
実際のところ材料自体に問題があったわけではなく、内面処理と接着処理、軸面のクリアランス不足などの技術的な部分が問題だったようです。
逆に言えばそれらを遵守していればほぼ全ての脱離は防ぐことができるとも言えます。

接着強度の実験では必ずサンドブラスト処理がなされています。
つまりサンドブラスト処理をしなければ本来の接着力は発揮できないのです。
目安は50μmのアルミナを0.2Mpaで5〜6秒間程度当てると良いでしょう。

チェアサイドで内面調整を行なった後にサンドブラスター処理で被着面を粗造にすることは多くの技工物に対して有効です。
処理後はスチーマーや超音波洗浄機で必ずクリーニングしましょう。

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当社では松風様のハイブラスターオーバルジェット、3M様のロカテックを使用しています。
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バイトやテックの厚みを確認『メジャリングデバイス』

歯科技工物の厚みを測るメジャリングデバイスは主にワックス用とメタル用の2種類に分けられます。
ワックス用は先が丸めてあり、メタル用は先が尖っています。

補綴物の強度を確保するためにフレームの厚みを測ったりするため、歯科技工士にとってはお馴染みの道具です。

チェアサイドにおいてはバイト材の厚みのチェックや、テックの厚みのチェックなどに是非活用してもらいたいです。
そうすることでクリアランスの過不足が事前に判断できるでしょう。
シリコンバイト材などにはワックス用メジャリングデバイスを、テックや完成技工物にはメタル用メジャリングデバイスをおすすめします。

納品された技工物の咬合面がノッペリしていたり、歯頸部などに不自然なカントゥアがある場合にも是非計測してみてください。
歯科技工士の葛藤や苦悩が垣間見えます(笑)

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当社ではYDM様のメジャリングデバイスメタル用メジャリングデバイスワックス用を使用しています。
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垂直的な形成量を確実に確保『クリアランスチェッカー』

「クリアランスが足りないため作れません。」
このセリフに悩まされる歯科医師もきっと多いはずです。
テックが作れてるのになんで作れないんだ?という声も耳にしますが、テックはめちゃめちゃ薄くても作れちゃうんです。
実際にメジャリングデバイスでテックの厚みを測ってみると、ほぼ穴が空きそうな厚み(0.1mm程度)しかないということも何度もありました。
オールセラミックスの製作に0.5mm以下のクリアランスしかなければ、たとえそれが『生PZ』だとしても、作れないものは作れません。
それ以上削れないのであれば残念ながらオールセラミックスの適応外ということになります。

かといって「技工士は形成量が多ければいいんでしょ?」というのも誤解です。
『適正量』というのが一番作りやすいのです。

クリアランスチェッカーを使用すれば口腔内で事前にクリアランス量の確認が行えます。
引き抜き試験でのチェックになるため、技工士と打ち合わせながら適正量がわかるようにしましょう。

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当社ではBausch様のフレキシメーターストリップスを使用しています。
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必ずラボと同じものを!『シェードガイド』

セラミックワークで混乱を招きやすい道具の代表格がこのシェードガイドです。

シェードガイドについて書き出すと止まらなくなってしまうので、ここでは短めに。
ずばり、当たり前ですがラボと同じ一般的なものを使ってください。
あらゆるシェードガイドを揃えて患者様の歯とピッタリ同じ色を探そうとされる先生方がいらっしゃいますが、それは無謀です。

そもそもVITAクラシカルなどはオールセラミックスなど無かった時代からオールセラミックス状態のシェードガイドを販売してきました。シェードガイドはただのモノサシなんです。

実はA3をA3として作るだけでも大変な努力が必要です。
各社がA3として販売している材料を使ってもA3にはなりません。
材料ごとに歯科技工士の調整が必要です。
つまり、一般的でないシェードガイドのシェード番号を伝えられても、その色を再現すること自体が困難なのです。

シェードガイドはあくまでもモノサシ。
シェードガイドの番号に比べて『少し濃い』とか『少し赤っぽい』とか比較しながら色を決めるのが最も合理的で確実です。(これはこれで不確実なんですが…)
こういった評価方法を限度見本評価と言います。

となるとその限度見本は使いやすくシステマチックで一般的なものがベストですね。
セラミック専門の歯科技工所としてはVITA社の『リニアシェードガイド3Dマスター』をおすすめします。

 

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当社ではVITA様のリニアシェードガイド3Dマスタークラシカルシェードガイドを使用しています。
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メタルフリーの切削作業に『技工用注水タービン』

オールセラミック(特にガラス系)技工物の調整が必要になった時、注水冷却下での調整作業が推奨されています。
アルミナやジルコニアにおいても注水下で調整しなければ、切削時の発熱によりマイクロクラックが発生し、技工物の強度を著しく低下させます。

口腔外においてはやはり技工用での作業がストレスなく行えますね。
技工用ハンドピースのそばにコップ一杯分の水を用意して作業してもいいですが、注水式の技工用エアタービンで調整するのが一番捗るので置き場が確保できるのであればオススメです。

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当社ではNSK様のプレストアクアLUXを使用しています。
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レジン材料の最終仕上げに『コーティング材』

レジン系技工物の調整を終えて、しっかりと鏡面仕上げするのは結構面倒ですよね。
中研磨から細研磨を行い、ブラシやバフで仕上げないと、滑沢な面は得られません。
さらに磨き残しがあっては意味がありません。

そんな時は光重合タイプのコーティング材を使えば誰でも簡単にムラなく滑沢に仕上げることができますよ。

耐摩耗性に関してもサーマル試験などで繰り返し実験が行われますが、機械研磨で仕上げるよりもコーティング材を施した方が艶が消滅しにくいという結果も出ていますし、硬質レジン程度のものであれば明らかにコーティング材の方が優位かと思います。
ステインが添加されているものであればキャラクタライズや色修正も行えます。

注意点としてはコーティング材を塗る前に表面処理をしなければならないことです。
カーボランダムで粗造にしても良いですが、やはりサンドブラスト処理が一番ですね。

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当社ではGC様のナノコートラボナノコートカラーアドバンスセットを使用しています。
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ジルコニアの咬合調整と研磨に『ダイヤフィルシリコンポイント』

ジルコニアを研磨する場合に材料選びは非常に重要です。
昔はよくカーボランダムやシリコンポイント(茶シリ)でフルジルコニアの研磨に挑もうとされている方を見かけましたが、絶対に無理です。

ジルコニアの研磨にはダイヤモンド粒子が含まれたものが必須です。
粗研磨用や中研磨用、細研磨用とシリコンポイントは色々と使い分けが可能で、仕上げ用のシリコンポイントなどはそれだけで光沢が出るまで磨くこともできます。

ただし物によってはすぐにすり減ってしまうコスパの悪いものも存在するので、色々と試してみるのが良いでしょう。

[capbox title=”おすすめは?”]
当社ではモクダ(デデコ)様のセラダイヤポリッシャーのグリーン、ピンク、イエローを使用しています。
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技工物の艶出しに『仕上げ用研磨材』

仕上げ研磨剤も種類が多く、好みが分かれるかもしれません。
基本的にはどの技工物も仕上げ用研磨材を使って滑沢に仕上げる必要がありますが、油分の多いものなどは個人的には使いにくいなぁと感じます。
高いものが良いとも限りませんが、コスト的にもサッパリした硬めのものが持ちが良いですね。

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当社ではモリタ様のPハイブリッド、ペントロン様のジルコポルを使用しています。
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【番外編】印象体消毒薬

ここからはラボで使っている技工道具というわけでも、歯科技工物のクオリティを上げるための道具でもありませんが『歯科医院で絶対に使っていただきたいもの』ということで。

2020年に入り世界中で猛威を振るうコロナウィルスに対しての感染症対策の一貫としても、印象体への除菌、消毒の徹底をお願いいたします。

シリコン印象でお預かりする場合はその印象体を自分たちでしっかりと洗浄消毒してから石膏を注ぐため、クリーンな作業模型を作ることができています。
しかし歯科医院さまで消毒されずに作られた血液混じりの石膏模型は、非常に不衛生ですし、感染症の温床にもなります。

私たち歯科技工士は作業模型を作るために石膏を長時間削らなければなりません。
乾燥した石膏模型をトリミングすれば、多くの石膏粉塵が空中に舞います。
作業中は常にバキュームを使いマスクを着用してはいますが、それで全てを防ぎきれるわけではありません。

模型由来の二次感染予防の唯一の策は、石膏を流す前に消毒を行う以外にありません。

どうかご理解とご協力をお願いいたします。

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当社では佐藤歯材様のアセプトプリントスプレー、トクヤマデンタル様のデントジアを使用しています。
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歯科医師の方はもちろん、歯科技工士、歯科衛生士、学生、どなたでもお気軽にどうぞ。

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